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タンパク質の種類
タンパク質には様々な種類があり、いろいろなところではたらいている
例を挙げるとすると…
酵素:反応を促進する触媒となる(例 RNAポリメラーゼ・アミラーゼ)
ホルモン(ペプチドホルモン):恒常性の維持に関わる(例 インスリン・グルカゴン)
このほかにも免疫に関わる免疫グロブリンや物質輸送に関わるNa⁺-K⁺ATPアーゼなどもある
生体に含まれる物質の中で種類がダントツで多い!
ヒトの場合は約10万種類あると言われている
タンパク質の構造
タンパク質の基本単位はアミノ酸である
アミノ酸の数や種類、並び方や立体構造の違いで多種多様なタンパク質となっている
まずはアミノ酸についてみていこう
アミノ酸の構造
アミノ酸はC(炭素原子)に-NH₂(アミノ基)と-COOH(カルボキシ基)、H(水素原子)、側鎖が結合している
側鎖の種類によってアミノ酸が何になるか変わってくる
アミノ基、カルボキシ基、1つの水素原子、1つの炭素原子はすべてのアミノ酸に共通する
アミノ酸は全部で20種類ある
上の表をすべて覚える必要はないが、酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸は覚えておくと役に立つ
システインがS(硫黄)を持つことは覚えておいた方がよい(メチオニンもSを持つがあまり重要ではない)
3文字表記や1文字表記、アミノ酸の詳しい性質は大学で習うが、一応書いておいた
アミノ酸とアミノ酸の結合
ペプチドとはアミノ酸が2個以上結合したものである
ポリペプチドはアミノ酸が多数結合したものである
つまりタンパク質≒ポリペプチドである
※アミノ酸が2~50個結合したものがペプチド、50個以上結合したものがポリペプチドと言われる
一つのアミノ酸のアミノ基ともう一つのアミノ酸のカルボキシ基が脱水縮合(結合するときにH₂Oが離脱)することでペプチドをつくる
この時の結合をペプチド結合という
タンパク質を作るときのアミノ酸の並び方を一次構造という
一次構造のアミノ酸の並び方次第でどのようなタンパク質になるのかが決まる
タンパク質の立体構造
タンパク質の部分的な立体構造は二次構造と言われる
二次構造には主に2種類あり(これ以外にもある)、αヘリックス構造とβシート構造と呼ばれる
αヘリックス構造はらせん状の構造、βシート構造はびょうぶ状に折れ曲がった構造である
どちらの構造もアミノ酸間の水素結合が立体構造を作り出している
次にタンパク質の全体的な立体構造は三次構造と言われる
二次構造のような部分的な立体構造ではなく、分子全体で複雑な立体構造を作る
最後に四次構造を紹介する
四次構造は複数のポリペプチドが組み合わさったものである
すべてのタンパク質にあるわけではなく、一部のタンパク質の特徴である
S-S結合
S(硫黄)を含むアミノ酸のS同士が結合することで形成する結合のこと
ポリペプチド内に存在すると三次構造、ポリペプチド間に存在すると四次構造に関わる
タンパク質の機能
立体構造と機能はどう関わるのか
タンパク質はそれぞれが独自の立体構造をもっている
よってタンパク質の特定の部位に特定の物質のみが結合できるという特異性をもつ
これは酵素やホルモンの受容体、物質輸送に関わるタンパク質で重要になってくる
変性
タンパク質の立体構造は条件次第で崩れてしまうことがある
その条件とは
- pH
- 温度
- 酸、アルカリ
- 重金属の存在
などである
タンパク質の立体構造が崩れると、性質や機能も変わってしまう
これを変性という
さらに変性によってそのタンパク質の機能が失われることを失活という
シャペロン
1本鎖のペプチドが折り畳まれることをフォールディングという
正しくフォールディングされるように手助けするタンパク質をシャペロンという
シャペロンの主なはたらきは
- 誤って折りたたまれたタンパク質がそれ以上折りたたまれないようにする
- 正しく折りたたまれるようにする
- 折りたたみが不安定なタンパク質を再度折りたたむ
- 熱で変性したタンパク質を折りたたみ直す
など、タンパク質が安定的にはたらけるように整えている
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